イオキテックが語る
精密加工の真髄
2026.11.07
- 豆腐
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豆腐機械を更新するタイミングは、どこから考えればよいのか
「そろそろ機械を替えたほうがいいのかな」
豆腐を作っている工場で、こんな話が出ることがあります。機械はまだ動いています。ただ、前より手間がかかっている気もします。新しくするにしても、うちの規模で入れられるものがあるのか、今ある設備とつながるのか、考え始めると分からないことが次々に出てきます。
豆腐づくりは、機械を新しくすれば仕事が楽になるとは限りません。同じ豆腐でも製法や段取りは工場ごとに違い、替え時も年数だけでは決まりにくいものです。ここでは、入れ替えや改造を考え始めたときに現場で出てきやすい迷いを、順に書いてみます。
まだ動いている機械を替えるべきか迷ってしまうのはなぜか

完全に壊れてしまえば、直すか替えるか、とにかく何か決めなければなりません。難しいのは、まだ普通に動いているときです。
たとえば、前は一人でできた作業が、最近は二人いないと回らなくなった。大きな故障はないのに、製造が終わる時間が少しずつ遅くなっている。そういうことは、どこの工場でも起こりえます。
そうなると、現場では意見が分かれます。
「古い機械だし、そろそろ替えたほうがいいんじゃないか」
「今までこれで作れてるんだから、まだ使えるでしょう」
どちらにも理由があります。長年使った機械は、扱う人が慣れています。多少使いにくくても、作業の順番や調整のコツが身についているので、大きな問題として表に出てこないこともあります。
逆に、その慣れが手間を見えにくくしている場合もあります。毎回少しずつ位置を合わせ直す作業は、担当の人には当たり前でも、別の人がやるとなかなか同じようにいきません。そうなると問題は機械の寿命というより、この作業を今後も同じ人で続けられるかどうかです。
更新を考えるきっかけは、故障だけではありません。負担がどこに出ているのか、それが機械のせいなのか、作業全体の流れのせいなのか。そこを見ていくと、考え方も変わってきます。
同じ豆腐でも工場によって必要な設備が変わってくる理由
設備を探し始めると、思ったより大きな機械が出てきたり、意外と小さな設備でも作れると分かったりします。
ただ、製造量が同じでも、同じ設備構成になるとは限りません。一日の数量が同じでも、朝の限られた時間にまとめて作る工場と、時間を分けて作る工場では、機械に求める能力が違うからです。短い時間で一気に処理したいなら、それに合った余裕が要ります。
木綿と絹でも工程の考え方が違います。凝固の様子を見ながら手を入れる工場もあれば、決まった条件で繰り返し作れるようにしている工場もあります。どちらが正しいという話ではありません。手作業を残すことで製品の状態に合わせやすい工場もありますし、機械に任せることで作業のばらつきを抑えやすくなる工場もあります。
特に凝固のあたりは、温度、凝固剤の入れ方、混ぜ方など、工場ごとに積み重ねてきたやり方があります。そこを機械に任せるときは、作業をそのまま置き換えるだけでは、今までと同じ仕上がりにならないこともあります。
だから更新の話では、今の製法をどこまで残したいかが必ず出てきます。味や食感を守ることを優先するのか、量を増やすために多少やり方を変えてもよいのか。そこが違えば、選ぶ機械も違ってきます。
何年使ったかだけでは、機械の替え時を決めにくい理由

「この機械、もう何年も使ってるけど、替え時かな」
そう考えるのは自然なことですが、豆腐の機械には、何年経ったら必ず替えるという決まった年数はありません。毎日長時間動かしている機械と、短時間しか使わない機械では、傷み方が違います。洗浄の仕方や置かれている環境、これまでの修理の内容でも状態は変わります。
古くても、部品を替えながら大事に使ってきて、今の製造量にも合っているなら、急いで入れ替える必要はないかもしれません。逆に、比較的新しい機械でも、注文が増えて能力が足りなくなることがあります。
もう一つ気になるのが、次に壊れたとき直せるかどうかです。
「今は動いてるけど、次に止まったら直せるのかな」
モーターや軸受など、一般的な部品の交換で対応できる状態なら、修理しながら使い続けられる場合もあります。一方で、専用の部品が手に入らなくなっていたり、制御機器が古くて代わりの部品に変える必要があったりすると、修理が大がかりになります。
とはいえ、部品が手に入りにくいからといって、機械ごと替えるしかないわけでもありません。制御の部分だけを新しくする、傷んだところだけ作り直す、という方法もあります。
修理にいくらかかるのか、更新したらどの作業が減るのか。それに加えて、工場を止められる日数も大きく関わってきます。休める日が限られている工場では、機械そのものより、入れ替えの工事をいつやるかが問題になることもあります。
今の機械で製造を続けられているかだけでなく、次に故障したときに対応できるか、今後の製造量や作業人数に合っているか。そうしたことが気になり始めたときが、更新について具体的に考えてみる一つのタイミングなのだと思います。
一台入れ替えるだけでも前後の工程に影響が出てくる話

設備を選ぶときは、どうしても替えたい機械そのものに目が向きます。ところが設置の段階になると、前後の工程との関係が気になってきます。
ある工程の処理が速くなっても、次の工程が受けきれなければ、製品がそこで待つことになります。反対に、後ろの工程だけ強くしても、前から流れてこなければ機械が待つ時間が増えるだけです。豆腐は工程によって温度や時間が仕上がりに関わるので、単純に速ければいいとも言えません。
「ここを自動にしたら、だいぶ楽になると思ったんだけどね」
進めてみると、その前後で人がやる作業が残ることがあります。機械への投入は自動にできても、状態を見ることや次へ移すことは人の手が要る、というような場合です。それでも、重いものを持ち上げる作業がなくなるなら、十分に意味があります。
ただ、作業時間を短くするのが目的なら、前後の作業まで含めて見ておかないと、期待したほど短くならないこともあります。
既存の設備と組み合わせるなら、高さや置く位置、運び方も関わってきます。図面上では収まっていても、人が通るスペースや、洗浄・点検のための余裕が足りなくなることがあります。一台の入れ替えでも、周りの設備や作業スペースまで見ておくと、後から困ることが減ります。
製造量が少ない小規模なラインでも機械を入れられるのか
「うちみたいな規模でも、機械は入るのかな」
こう心配になるのも自然なことです。大きな工場向けの設備を見ると、自分のところには合わないと感じるのも無理はありません。
ただ、すべての工程を一度に機械にしなければならないわけではありません。人の手を残しながら、負担の大きい工程だけを機械にする考え方もあります。今の作り方は大きく変えず、時間のかかっているところだけ楽にする、というやり方です。この場合は、能力の大きさより、今の作業に無理なく収まるかどうかのほうが大事になります。
少量を何種類も作る工場では、機械に求めることが、一つの製品を大量に作る工場とは違います。品目を替えるたびに洗浄や調整が必要なら、その時間も見ておきたいところです。機械を入れたことで、段取りがかえって増えることもあります。
「機械を入れたら、人を一人減らせるのか」
そういう見方もありますが、
「今いる人数で、無理なく続けられるようになるか」
という見方もあります。作業する人の負担を減らすことが目的なら、全部を自動にする必要はないかもしれません。小規模だから入れられないのではなく、どの工程を機械に任せるかで組み方が変わる、ということです。
今ある設備を残すか入れ替えるかで迷ったときの考え方
更新といっても、今ある設備を全部替えたいとは限りません。
「ここはまだ使えるから、できれば残したい」
という声は自然に出てきます。長く使っている設備は、少しずつ手を加えながら使い続けていることも多いからです。
その場合、新しい機械に合わせて周りを変えるのか、今の設備に合わせて新しい機械を作るのか、いくつかのやり方があります。ただ、残すほうが安く済むとは限りません。つなぎの部分を特別に作ったり、制御を変えたりすると、思ったより工事が大きくなることがあります。かといって全部を入れ替えれば、設置工事や配管、電気工事まで必要になります。そのため、機械本体の値段だけでは比べにくいのが実際のところです。
もう一つ、後々の修理も気になります。古い機械と新しい機械を組み合わせたときに、どこまでが元の機械で、どこからが新しい部分なのかが分からないと、故障のときに誰がどこを見るのか決まらず、対応に時間がかかります。
改造で済ませるのか、一部を更新するのか、一式を替えるのか。費用だけでなく、その後の使いやすさや直しやすさも含めて考えたいところです。
自分の工場に合う進め方を考え、必要なら現状を見てもらう

実際に検討するとき、最初から細かい仕様を決める必要はありません。今の製造で何が気になっているのかを、そのまま言葉にするところからで十分です。
製造量を増やしたいのか、作業の人数を減らしたいのか、故障が心配だから先に手を打ちたいのか。目的が違えば、選ぶ方法も変わります。残したいやり方があるなら、それも最初に伝えておいたほうが話が進みます。
豆腐づくりには、人の感覚で調整している部分があります。
「このくらいになったら次へ移る」
という感覚は、すべてが数字になるわけではありません。だから、実際の作業を見ながら話をすることもあります。製造量や置き場所だけでなく、作業の順番や、どこで人が手を入れているのかが分かると、設備の考え方も具体的になります。
現状を見てみたら、更新までしなくても、部分的な改造や修理で足りそうだと分かることもあります。逆に、一か所だけ替えるつもりが、前後も含めて見直したほうがよいと分かることもあります。
自分の規模や製法でも実現できるのか、既存の設備をどこまで使えるのか。そう思ったときは、実際の設備構成を見てみるのも一つの方法です。工程別の構成の例は、豆腐製造設備の商品案内にまとめています。具体的にどんな組み合わせがあるのかを確認したいときの参考になるはずです。ただ、載っている構成がそのまま自分の工場に合うとは限りません。今の設備や作り方に合わせて、どこを残し、どこを変えるかを考えていくことになります。
有限会社イオキテックは、愛媛県を拠点に、四国を中心として全国の食品工場から機械の相談を受けています。設計、製作、制御、据付、修理、改造、保守まで、同じ会社の中で継続して見ています。新しく作るときだけでなく、その後の修理や変更まで頭に置いて設備を見られるのは、設計した人間と後から直す人間が近くにいるからだと思っています。
もちろん、相談したからといって更新しなければならないわけではありません。機械が古くなってきたけれどまだ使える気もする、新しくしたいけれど今の作り方は変えたくない。そんな段階でも、状態を見てもらい、どんな方法があるのかを聞いてみる、という選び方があります。
設備の更新は、機械を新しくすること自体が目的ではありません。これからも今の豆腐づくりを続けるために、どこを変えたくて、どこを残したいのか。そこがまだはっきりしていなくても、設備について相談することはできます。今の機械を使い続けることも含めて、自分たちの工場に合う形を考えていければよいと思います。
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