イオキテックが語る
精密加工の真髄
2026.08.29
- 豆腐
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豆腐製造設備の構成は何を基準に考えるべきか、迷ったときに見直したいこと
「新しく設備を入れたいけれど、自分たちの規模でもできるのだろうか」 「今ある機械を残したまま進められるのか」 「全部入れ替える話になるのではないか」
豆腐づくりに関わる設備のご相談は、こうした言葉から始まることが少なくありません。
実際には、最初から答えが決まっているケースはほとんどないというのが正直なところです。同じ豆腐を作っている工場でも、製法や生産量、人の配置、建屋の広さが違えば、設備の考え方も自然と変わってきます。
だからこそ、「この構成が正解です」という話にはなりにくいのが豆腐製造設備だと感じています。
この記事では、新しい設備の導入や改造、更新を考え始めたときに、どのような視点で全体を見ていけばよいのかを、現場でよくあるやり取りを交えながらお話しします。
豆腐製造設備を考え始めると最初に迷いやすいこと

設備を探し始めると、多くの方はまず機械そのものを見始めます。
「この製造機械なら今より能力が上がりそう」 「この設備なら省人化できそう」
もちろん、それも大切な視点です。
ただ、実際のご相談では、
「どこまで更新すればいいのか分からないんです」
という言葉をよく耳にします。
一つの機械だけ古くなっているように見えても、その前後の流れとの兼ね合いで、あえてそのまま使われ続けていることもあります。逆に、能力不足だと思い込んでいた設備ではなく、実はその前工程や後工程の流れに原因があったというケースも珍しくありません。
設備を探している段階では、「どの機械を買うか」よりも、「今どこで流れが止まっているのか」を見ていくほうが、その後の検討がずっと進めやすくなることがあります。
同じ豆腐でも設備構成が大きく変わる理由
豆腐と一言でいっても、製造方法は一つではありません。
作る製品の種類が違えば工程も変わりますし、生産量が変われば必要になる設備も変わります。さらに、人がどの工程に入るのかによっても構成は大きく変わってきます。
以前、こんなお話をいただいたことがありました。
「同じくらいの生産量だから参考になると思ったんです」
ところが詳しく伺うと、製品の種類も違い、包装方法も違い、人の配置もまったく違っていました。そのため、参考にしていたラインをそのまま当てはめることはできませんでした。反対に、生産量は違っていても工程の流れが近く、考え方の部分だけ参考になったというケースもあります。
同じ豆腐を作る設備だからといって、構成まで同じになるとは限りません。だからこそ、他社の設備を見るときも「同じ形にする」ことより、「なぜその構成になっているのか」を考えてみると、見え方が変わってくるように思います。
例えば木綿豆腐と絹ごし豆腐では、脱水や成形にかかる工程がそもそも違いますし、厚揚げまで手がけるとなれば、揚げ工程まで含めて考える必要が出てきます。「豆腐」という言葉でひとくくりにしていても、実際に必要な設備はかなり違ってくることがあります。
一丁ずつパック詰めして店頭に並べる形と、業務用として大きな単位で出荷する形とでも、包装から出荷までの流れは変わります。「うちは業務用だから、一丁売りの工場の設備を参考にしてもあまり意味がなかったんです」という声を聞いたこともありました。
さらに、同じ生産量を目指す場合でも、一日でまとめて作るのか稼働時間を分けて作るのかによって、必要な設備の能力の考え方は変わってきます。同じ生産量であっても、基準の置き方次第で導き出される答えが違ってくることがあります。
機械単体よりも工程全体の流れを見るほうが分かりやすいことがある
設備を更新するとき、
「この機械だけ新しくしたい」
というご相談は珍しくありません。もちろん、それで十分な場合もあります。
ただ、実際に現場へ伺うと、
「ここだけ新しくすると、その次の工程が追いつかなくなりますね」
という話になることがあります。反対に、
「今の設備はそのままで、搬送だけ少し変えれば改善できます」
という結論に落ち着くこともあります。
設備は一台ずつ独立して動いているように見えても、実際には前後がつながっているものです。一つの工程だけ能力を上げても、その先で待ち時間が増えてしまえば、全体としてはあまり変わらないということも起こり得ます。
だから設備構成を考えるときは、個々の製造機械だけを見るより、「材料が入り、製品として出ていくまでの流れ」を一度並べてみるほうが、結果的に迷いが少なくなることが多いように感じています。
以前、搬送ラインだけを新しくしたところ、かえって次の工程で人待ちが増えてしまったという例がありました。搬送の速度が上がったこと自体は良い変化だったのですが、その先の工程がもともとの速度に合わせて組まれていたため、逆に作業が詰まってしまったのです。
反対に、成形機の能力を上げたものの包装工程が追いつかず、結局は成形機の稼働を抑えて運用しているという工場もありました。能力を上げること自体は間違っていなくても、前後との釣り合いが取れていなければ、思ったような効果にはつながりません。
見落とされがちですが、洗浄や清掃にかかる時間も設備構成に関わってきます。稼働時間の中に洗浄の時間をどう組み込むかによって、実際に使える生産時間そのものが変わってくることがあります。
小規模だから難しいとは限らず、考え方次第で変わることもある

「うちは規模が小さいのでラインなんて組めませんよ」
というお話もよく聞きます。ですが、小規模だからラインが作れないというわけではありません。
人が入る工程をどこまで残すのか、一部だけ機械化するのか、それとも今ある設備を活かしながら新しいものを組み合わせるのか。この考え方次第で、構成の姿はいくつも変わってきます。
設備を一式そろえることだけがラインではありません。既存の設備を使い続けながら、そこに新しい設備を組み合わせていくという方法もあります。
実際には、
「全部入れ替えると思っていたけれど、残せる設備が思ったより多かったですね」
と話が展開することもあれば、逆に改造を考えていたものの、長く使うことを見据えると更新したほうが結果的に進めやすかった、というケースもあります。どちらが良いというより、その設備が今どのような状態にあるかによって、見え方そのものが変わってくるものです。
最初から全体を自動化しようとせず、まずは負担の大きかった一つの工程だけを機械化し、残りはこれまでどおり人が担う、という進め方を選んだ工場もあります。それだけでも、現場の負担は大きく変わることがあります。
また、今すぐには手を広げられなくても、将来の増産を見据えて、増設用のスペースや配管、電源だけを先に確保しておくという考え方もあります。今回は最小限の投資にとどめつつ、後から広げられる余地を残しておく、という選び方です。
検討を進めるほど、前後工程との関係が見えてくる
最初は一つの設備だけを考えていたはずが、話を進めるうちに前後工程まで見直すことになる、というのはよくある流れです。
例えば搬送方法を変えるだけでも、人の立ち位置が変わったり、作業スペースの使い方が変わったりします。すると、
「この工程も少し変えたほうが流れがいいですね」
という話が出てくることもあれば、
「そこは今のままで十分ですね」
という結論に落ち着くこともあります。
現場では、一度考え始めると想像以上に関係する部分が広がっていくことがあります。だからといって、最初からすべてを決める必要はありません。今困っているところを起点にしながら、前後工程とのつながりを少しずつ確認していくほうが、現実的な進め方になることが多いという印象です。
自分たちの製法や規模で考える余地を残して進めていく

設備を比較していると、
「どれが一番いい設備なのだろう」
という考え方になりやすいものです。ですが、現場では一番能力の高い設備が、必ずしもその工場に合うとは限りません。
今ある設備とどう組み合わせるか、人をどこに配置するか、将来どこまで生産量を増やしたいのか。こうした一つひとつの事情によって、選び方は変わってきます。
そのため、設備の導入や改造、更新を考えるときも、結論を急ぐより「自分たちの現場ではどう使うのか」という視点を持ちながら進めるほうが、後々調整もしやすくなります。
実際には、工程の組み合わせ方や規模によって、設備構成の例はいくつも存在します。小規模なラインを前提にしたものもあれば、生産量を重視したラインもあります。ただし、それらをそのまま採用するというより、自分たちの製法や既存設備と照らし合わせながら考えることが大切です。
工程別や規模別の設備構成例について確認したい場合は、商品案内ページをご覧いただくと全体像をイメージしやすくなると思います。今ある設備と組み合わせることを前提にした事例も紹介していますので、一部だけを見直したいという場合にも、確認の手がかりとして見ていただけるはずです。
また、「この設備を入れたい」という相談だけでなく、
「今のラインだと、どこから考え始めればいいのか分からない」
という段階で、現状をそのまま共有していただくという進め方もあります。実際に現場へ伺って状態を確認することだけでなく、図面や写真をもとに、まずは状況を伺うところから話を始めることもあります。
設計だけ、修理だけという見方ではなく、設計・製作・制御・据付・修理・改造・保守まで、継続して現場に関わってきた立場から見ると、設備そのものよりも、長く使われてきた経緯のほうが見えてくることがあります。その結果として、更新が向いている場合もあれば、改造や部分的な見直しで十分な場合もあります。
もし今の設備について、「自分たちの規模でも進められるのか」「既存設備を活かせるのか」といった点を一度整理したい場合は、現場の状態を見ながら考えていくという進め方も、選択肢の一つとしてあります。
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