有限会社イオキテック

コラム

イオキテックが語る

精密加工の真髄

2025.11.13

機械の修理・メンテナンス

食品機械のメンテナンスで生産停止を防ぐ!修理と買い替えの判断基準は?

食品工場の機械が突然止まってしまう不安を感じたことはありませんか?製造ラインが停止すると生産が中断し、取引先との約束も守れなくなるなど、さまざまな影響が出ます。

特に導入から10年以上経過した機械は、メーカーからのサポートが終了していることも多く、故障した時の対応について頭を悩ませる経営者の方が増えているのが現状です。

そんな状況でも、まだできることはたくさんあります。正しい食品機械のメンテナンスと専門的な対応により、古い機械でも安定した生産を続けていくことは十分可能です。この記事では、食品工場で使う機械をできるだけ長く使い続ける方法と、緊急時の対処法について詳しく解説します。

食品機械の故障を見抜く3つのサインは?

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食品機械の故障は、ある日突然起こるように見えますが、実は事前に必ず兆候が現れるものです。長年工場で働いているベテランの方なら「いつもと何かが違う」という違和感を覚えた経験があるのではないでしょうか。

これらのサインを見逃さずに早期発見することで、大きな故障を防ぎ、生産停止のリスクを大幅に減らせるでしょう。ここでは、特に注意すべき重要なサインを3点に絞って解説します。

いつもと違う異音や振動が聞こえる

機械から普段とは異なる音や振動が発生している場合、内部の部品に異常が生じている可能性があります。特に、金属同士がこすれるような「キーキー」という音や、定期的な「ガタガタ」という振動は要注意です。

これらの症状は、ベアリングの摩耗やベルトの劣化、チェーンの伸びなどが原因となることが多いのです。放置すると部品の破損が進行し、最終的には機械全体の停止につながってしまいます。

また、食品機械特有の問題として、製品の残りかすや調味料による腐食も音や振動の原因となります。塩分の多い漬物や調味料を扱う工場では、特に金属部品の劣化が早く進むため、普段以上に注意深く観察することが重要です。

製品の品質が安定しない・精度が落ちた

製品の大きさや重量にバラつきが出てきた場合、機械の精度に問題が生じている証拠かもしれません。例えば、豆腐の充填機で容量にムラが出たり、カット機で厚さが不均一になったりする症状です。

こうした精度の低下は、機械の調整部分の摩耗や、センサーの汚れ・劣化が原因となることがあります。また、油圧や空圧を使用している機械では、シールの劣化により圧力が不安定になることもあるでしょう。

品質の不安定さは、お客様からのクレームや返品につながる重大な問題となります。早期に原因を特定し、正しいメンテナンスを行うことで、品質を元の水準に戻せるでしょう。

部品の摩耗や汚れが目立つようになった

目に見える部品の摩耗や異常な汚れの蓄積も、機械の不調を示すサインです。特に、ベルトにひび割れが入っていたり、金属部分に錆や腐食が見られたりする場合は、交換時期が近づいています。

食品機械では衛生管理が最重要課題となるため、清掃しても落ちない汚れや、パッキンの変色・硬化なども見逃せないポイントです。これらの問題は、食品衛生上のリスクを高めるだけでなく、機械の性能低下にも直結します。

定期的に機械のベルト、金属部分、パッキンなど外から見える部分のチェックを行い、小さな変化も記録に残しておくことが大切です。このような予防保全の観察により、大きなトラブルを未然に防げるでしょう。

メーカーが対応してくれない古い食品機械のメンテナンス方法は?

「メーカーに連絡したら、古すぎて部品がないと断られた」「製造会社が倒産してしまい、どこに相談すればいいかわからない」。これらの悩みを抱えている食品製造業者は少なくありません。

しかし、メーカーの対応が終了した機械でも、専門的な技術により修理・改造を行うことは可能です。ここでは、他社が「難しい」と判断した機械を再生させる3つの方法について詳しく解説します。

現物からの部品復元で性能と衛生を満たす部品を製作

メーカーからの部品供給が止まった場合でも、故障した部品の現物があれば、それを元に新しい部品を製作できます。この技術は「リバースエンジニアリング」と呼ばれ、機械の設計図面がない状況でも対応可能な高度な技術です。

まず、故障した部品を詳細に測定・分析し、材質や構造を調査します。次に、3Dスキャナーや精密測定器を使用して、部品の正確な寸法と形状を把握します。

その後、元の部品と同等以上の性能を持つ材料を選定し、最新の加工技術を用いて部品を製作します。場合によっては、元の部品よりも耐久性を向上させた改良版を作ることもできるかもしれません。

代替部品の選定と特注加工で機能回復

純正部品の復元が困難な場合は、同等の機能を持つ代替部品を選定し、必要に応じて加工を行います。市販の一般的な部品を機械に合わせて改造することで、コストを抑えながら機能を回復させられるのです。

代替部品の選定では、元の部品の機能を詳しく分析し、同じ役割を果たせる部品を探します。完全に同じ形状でなくても、取り付け部分を加工することで適合させることが可能です。

特に食品機械では、衛生面での要求が厳しいため、食品グレードの材料を使用し、清掃しやすい形状に加工することが重要となります。専門知識を持つ技術者により、安全性と機能性を両立した部品を製作できるでしょう。

制御系だけ最新化する部分改修で長く使えるように

機械の機構部分は正常でも、制御系(電気・電子部分)の老朽化により動作不良が起きることがあります。この場合、制御系だけを最新のものに交換することで、機械全体を正常に動かせる可能性があります。

古い制御盤をそのまま最新のコンピューター制御システムに置き換えたり、タッチパネル式の操作画面を追加したりすることが可能です。これにより、操作性の向上と同時に、故障の少ない安定した動作を実現できます。

さらに、最新の制御システムでは、機械の稼働データを記録・分析する機能も追加できるため、予防保全の精度も向上するでしょう。初期投資は発生しますが、機械全体を新品に買い替えることを考えれば、大幅なコスト削減となります。

食品工場で今すぐできるメンテナンスは?

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専門業者による本格的な修理も重要ですが、日常的に工場内で実施できるメンテナンスも機械の寿命を大きく左右します。丁寧な日常のメンテナンスにより、突然の故障を防ぎ、機械の性能を長期間維持できるのです。

ここでは、食品工場の現場ですぐに実践できる3つのメンテナンス方法を紹介します。特別な工具や高度な技術は必要ありませんので、ぜひ今日から取り組んでみてください。

日常点検で異常を早期発見する

毎日の作業開始前に実施する日常点検は、機械トラブルの予防において最も効果的な方法です。チェックリストを作成し、担当者が順番に確認することで、小さな異常も見逃すことがなくなります。

点検項目としては、異音・振動の有無、ベルトの張り具合、オイル・グリースの漏れ、センサーやスイッチの動作確認などが挙げられるでしょう。また、前日の生産終了時と比べて変化がないかを確認することも重要です。

発見した異常は必ず記録に残し、軽微なものでも放置せずに対処することが大切です。この積み重ねにより、機械の調子を常に最良の状態に保てるでしょう。

定期メンテナンスで機械寿命を延ばす

日常点検に加えて、週次・月次で実施する定期メンテナンスも機械の長寿命化には欠かせません。これには、可動部分への注油、フィルターの清掃・交換、ベルトやチェーンの張り調整などが含まれます。

特に食品機械では、食材の残りかすや調味料による汚れが蓄積しやすいため、分解清掃を定期的に行うことが重要です。ただし、分解作業は機械の構造を理解した上で慎重に行い、復旧時には必ず動作確認を実施してください。

また、消耗品の交換時期を記録し、計画的に部品を調達することで、急な故障による生産停止を避けられるでしょう。メーカーの推奨交換時期を参考にしながら、使用頻度に応じて調整することが大切です。

食品衛生を保つ清掃・消毒

食品機械において、清掃・消毒は単なるメンテナンスを超えた必須業務となります。正しい清掃により機械の性能を維持しながら、同時に食品衛生法に基づく安全性も確保できるのです。

清掃時には、機械を完全に停止し、電源を切ってから作業を開始してください。洗剤の種類や濃度、すすぎの方法なども、機械の材質に合ったものを選ぶことが重要です。

消毒についてはアルコール系など、用途に応じて最適な消毒剤を使用します。ただし、一部の機械部品では特定の薬品により腐食が進む場合があるため、事前に確認が必要です。

修理?それとも買い替え?後悔しないための判断基準

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機械に不具合が生じた際、修理で対応するか新品に買い替えるかの判断は、経営者にとって重要な意思決定となります。表面的なコストだけでなく、長期的な視点で総合的に検討することが大切です。

ここでは、最良の判断を行うための3つの観点から、修理と買い替えの選択基準について詳しく解説します。これらの情報を参考に、自社にとって最適な選択をしてください。

コスト比較で見る修理のメリット

修理費用と新品購入費用を比較する際は、単純な金額だけでなく、機械の残存使用年数も考慮に入れる必要があります。一般的に、修理費が新品価格の30~50%以内に収まり、残存寿命や衛生・安全要件(HACCP等)を満たせるなら、修理の方が経済的でしょう。

さらに、新品購入の場合は機械本体以外にも、設置工事費、既存機械の撤去費、新機械の操作研修費などの付帯費用が発生します。これらを含めた総額で比較すると、修理のメリットがより明確になるでしょう。

また、修理による機械の延命期間が3年以上見込める場合、その間に新製品の技術革新や価格低下が期待できるため、将来的により良い条件で更新できる可能性もあります。

補助金活用で負担を軽減できる可能性も

機械の修理や改造において、国や自治体の補助金を活用できる場合があることをご存知でしょうか。特に、生産性向上や省エネルギー化に繋がる改修については、「ものづくり補助金」などの支援制度を利用できる可能性があります。

これらの補助金を活用することで、実質的な負担額を大幅に削減できるだけでなく、単なる修理を超えた機能向上も実現できるでしょう。例えば、古い制御系を最新のものに更新する際に補助金を使えるかもしれません。

補助金の申請には一定の条件や手続きが必要です。該当する補助金の公式サイトの最新情報を必ず確認し、利用できるか検討してみましょう。

機械の状態から見る対処法の選び方

機械の修理が可能かを判断する際は、故障している部分とその範囲を正確に把握することが重要です。単一部品の故障であれば修理で対応できますが、機械全体の劣化が進んでいる場合は買い替えを検討する必要があります。

また、機械の製造年と技術の古さも判断材料となるでしょう。食品業界では衛生基準や安全基準が年々厳しくなっているため、古い機械では現在の基準に適合しない場合もあります。

修理により5年以上の安定稼働が見込め、現在の基準にも対応できる場合は、修理・改造による延命が最良の選択となるでしょう。逆に、頻繁な故障が予想される場合は、計画的な更新を検討するのがおすすめです。

食品機械のメンテナンスのお悩みはイオキテックにご相談ください

有限会社イオキテックでは、食品製造機械の修理・改造において豊富な実績を持ち、他社が「対応不可」と判断した機械の復活を数多く手がけてまいりました。食品機械のメンテナンス・改造を強みとして、お客様の生産ラインを支え続けています。

メーカーサポートが終了した古い機械から最新機種まで、あらゆる食品機械に対応可能です。まずは現在のお悩みをお聞かせいただき、最適な解決策をご提案いたします。

機械の調子が気になる、突然の故障に備えたい、生産性を向上させたいなど、どのようなご相談でも結構です。専門スタッフが丁寧にお答えいたしますので、お気軽にお問い合わせください。

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